胸をどきどきさせながら、彼の家に電話をかけた。おばさんらしい中年の女が出て、「はい、キタジマですが」と言ったので、震える声で「サトル君いますか」と訊くと、おばさんは急に涙声になって「サトルは……サトルは昨日、死にました。自動車に、家のすぐ前で撥ねられたんです。即死だったそうよ」とだけ言って切った。
なんだか、馬鹿らしくなってしまったのだ。人生は皮肉だし、深い悲しみほど滑稽だ。哀愁なんてものの入り込む余地なんてない。葬式になんて行かなかったし、それ以来恋もしていない。メグミやアヤカが慰めに来てくれても、涙も出せないので困った。こういうのって、どういうふうに説明していいのかわからない。ただ私は、ひどく孤独になった。友達といっしょにどこかに行くなんてことも、めっきり少なくなった。そうこうしてるうちに、私のティーンエイジは終わった。今、目の前に広がる人工的な、広大な白亜のキャンパスに群れている人込みを見る私の目は、あのころとは少し違ったものになってしまっているのかもしれない。
ティーンエイジ
(98/7/24)